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相続 内縁の妻の相続権 その1 2006年6月29日 60代の女性からの相談です。 「私と夫は、籍を入れていません。夫が亡くなったら、夫の財産を相続できますか」 いわゆる「内縁の妻」に相続権はあるのでしょうか。 残念ながら、内縁の妻に相続権はありません。 この女性が、夫の財産を相続したいのであれば、婚姻届を出しておくことです。 でも、もし事情があって入籍できない場合でも、夫の遺産をもらう方法はあります。 @生きているうちに贈与してもらう (贈与税がかかります) A夫に遺言を書いてもらい、遺贈を受ける 遺贈とは、遺言に書いておくことで、死後に贈与が発生するものです。 (相続税が2割加算になります) B夫と死因贈与契約をする 死因贈与とは、生前に二人が約束しておくことで、死後に贈与が発生するものです。 (相続税が2割加算になります) ※遺贈と死因贈与の違い Aの遺贈は、もらう人の意思に関係なく、遺言を書く人が自由に行うことができます。 それに対してBの死因贈与は、「あげる」「もらう」という双方の合意によって行われる贈与の契約です。 以上のことから、内縁の妻に相続権はないけれど、夫の遺産をもらえることはわかりました。 ひと手間かかるし、税金も高いのですが。 婚姻届の効果って、大きいのですね。 ・・・書く機会はないけれど。 内縁の妻の相続権 その2 2006年6月30日 前回、生前にひと手間かけておけば、内縁の妻でも遺産をもらうことができるとお話しました。 では、夫が死亡した後ではもう手遅れでしょうか。 死亡後でも、家庭裁判所に申し立てることで、遺産をもらう方法があります。 @相続人がいない場合、「特別縁故者」として遺産をもらう 特別縁故者とは、亡くなった人と一つのお財布で生活し、一緒に財産を形成した内縁関係の人や、介護など身の回りの世話を長い間してきた人のことです。 内縁の夫の特別縁故者として認められれば、遺産の全部または一部をもらうことができます。 (相続税が2割加算になります) A相続人がいる場合、「不当利得の返還請求」をする 亡くなった内縁の夫の財産形成に、自分が大きな貢献をしたということを、相続人に主張します。 裁判所の判断により、その貢献の度合いに応じた財産を、相続人から返してもらえる可能性があります。 これまでの例では、内縁の夫婦が共働きで稼いだお金を夫の名義で貯めていた、というケースがあります。 この場合、その貯蓄額の半分が内縁の妻の稼ぎであったとみなされて、この女性は亡くなった内縁の夫の財産を半分もらうことができました。 内縁の夫が亡くなった後でも、遺産をもらう方法があるのですね。 でも、家庭裁判所に申し立てなければならないなんて、ちょっと大変です。 自分にもしものことがあったとき、残された大切な人がお金で困らないように、健在なうちに準備しておきましょう。 高橋実希行政書士事務所が、お手伝いさせていただきますよ。 ・・・財産は、お墓に持って行けませんから。 内縁の妻の相続権 その3 2006年7月3日 内縁関係の夫婦が、夫名義でアパートを借りて住んでいました。 夫の死亡後に、内縁の妻はこのアパートで生活を続けることができるでしょうか。 その1でお話したように、内縁の妻には相続権がありません。 だから、名義人の夫が亡くなってしまったら、内縁の妻は当然に住み続けることができるというわけにはいかないのです。 でも、籍を入れていないという理由で、この妻を路頭に迷わせてしまうのは、あまりにもかわいそうですよね。 ちゃんと救済方法があるので、ご紹介します。 まずは、夫に相続人がいない場合です。 借地借家法36条では、「借主に相続人がいなければ、内縁の妻でも借家権を承継できる」と定められています。 夫に相続人がいなければ、ひと安心ですね。 次に、夫に相続人がいる場合ですが、これはちょっと厄介です。 法律上は何も規定がありません。 住み続けられるか、明け渡さなければならないか。 これは、裁判になったときに、当事者の事情によって判断されるのです。 過去には、「相続人からの明渡し請求は、権利の濫用として許されない場合がある」という判例もあります。 明け渡してもらわなければ困るような、切羽詰った理由が相続人にないのであれば、権利の濫用に当たると考えてもらえるようです。 相続人に正当な理由がなければ、裁判に勝って住み続けることができそうですね。 ちなみに、「家主からの明け渡し請求に対して、同居人である内縁の妻は、相続人が持つ借家権を援用して住み続けることができる」という判例がありました。 もし内縁の夫に相続人がいても、家主に対しては借家権を主張できるのですね。 以上のことから、内縁の妻に相続権はないけれど、住まいに関しては保護されていることが分かりました。 住み続けるからには、自分の名義に変更しておきましょう。 これまで3回にわたり、内縁の妻の相続権についてお話してきました。 婚姻届を出さなくても、事前の準備があれば内縁の妻の権利を守ることができるのですね。 でもきっと、妻が本当に欲しいのはあなたの遺産ではなくて、妻のことを守りたいと思うその気持ちです・・・きっと。 相続財産の範囲 2006年7月6日 父(春男)と娘(秋子)の二人家族を想定します。 春男が亡くなったら、秋子は父の全てを相続するのでしょうか。 「全て」ではありません。 たとえば、夏に向けてスポーツクラブで身体を鍛えていた春男が、亡くなってしまった場合を考えてみましょう。 亡き父の会員権を相続して、秋子さんがスポーツクラブを利用できるようになるのでしょうか。 それはできませんよね。 いくら相続人であるとはいえ、秋子が春男の会員権を引き継ぐことはできません。 このように、個人的な契約関係に基づいているものは、当事者の死亡によって消滅するので、相続されないのです。 民法896条では、「被相続人の一身に専属したものは、相続人に承継されない」と定められています。 この「一身専属権」とは、本人でなければ目的が達成されない権利のことです。 先ほどご紹介した会員権の例のような場合以外にも、生活保護受給権、公営住宅入居の使用権、扶養の権利義務などがあります。 したがって、秋子がもらう相続財産は「春男の一身に専属したものを除く、一切の権利義務」ということになりますね。 自分が相続する財産には、どのようなものがあるのか。 これをちゃんと知ったうえで、賢い相続対策を立てましょう。 ・・・お父さん、遺産はどのくらいですか? 借金を相続しないために 2006年7月7日 前回、「相続財産は、一身に専属したものを除く一切の権利義務」というお話をしました。 「一切の」「義務」ということは、借金も相続しなければならないのでしょうか。 もちろん、そのとおりです。 相続人は、亡くなった人の持っていた家や預貯金や宝石など(プラスの財産)を相続し、借金(マイナスの財産)があれば、お金を返す義務も受け継ぎます。 では、あなたのお父さんが、プラスの財産はほとんどないのに、莫大な借金を残したまま亡くなった場合を考えてみてください。 あなたには無関係だったはずの莫大な借金を背負うことになるなんて、ゾッとしますよね。 安心してください。あなたは、借金から免れる方法があるのです。 あなたは、お父さんの死亡を知ったときから3ヶ月以内に、「相続の放棄」をしてください。 そうずれば、初めから相続人ではなかったことになりますので、借金を相続しなくて済みます。 他の相続人の了解はいらないし、債権者の承諾もいりません。 あなたが一人でできますが、家庭裁判所に申し立てる必要があります。 まず、お父さんの最後の住所地にある家裁に行きます。 窓口に「相続放棄申述書」が置いてあるので、これに記入して提出してください。 提出は、郵送でもできます。 提出後1週間くらいすると、家裁から「相続放棄の申述についての照会書」が届きます。 この照会書には、「相続することをいつ知りましたか」「なぜ相続放棄をするのですか」などの質問が書いてありますので、これに回答して家裁に返送してください。 特に問題がなければ、返送から1週間ほどで「相続放棄受理通知書」が届きます。 これで、あなたの相続放棄は認められ、借金もプラスの財産も何も相続しないことになります。 もしもお父さんが残した借金の債権者から請求が来たら、「相続放棄受理通知書」を送付して、相続放棄したことを伝えてください。 そうすれば、請求はストップします。 相続放棄の注意点は、死亡を知ったときから3ヶ月以内ということです。 この期間に家裁で手続きをしないと、プラスの財産だけでなく借金も受け継ぐことになってしまいますので、気をつけましょう。 ・・・「棚からボタモチ」という相続ばかりではありませんから。 好都合な相続方法 2006年7月8日 前回、「相続放棄をすれば、借金を相続しなくてすむ」というお話をしました。 もし、お父さんの遺産が、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか分からない場合には、どうしたら良いのでしょうか。 どちらが多いか分からないからといって、死亡を知ったときから3ヶ月間そのままにしておくと、あなたは全ての財産を相続することになるのでしたね。 お父さんの借金があとから続々と発覚しても、もう逃げられません。 このような時のために、「限定承認」という方法があるのでご紹介します。 限定承認とは、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐ方法です。 つまり、遺産を清算した結果、借金が残った場合には、それ以上の返済は不要です。 逆に、プラスの財産で借金を全額返済できて余りが出れば、あなたは残りのプラス分をもらうことができます。 限定承認のメリットは、相続した財産から借金を返すので、自分の財産を取り崩す必要がないという点ですね。 とても都合の良い相続方法ですが、相続放棄と同じで家庭裁判所に申し立てる必要があります。 まず、お父さんの最後の住所地にある家裁に行きます。 窓口に「限定承認の審判申立書」が置いてあるので、これに記入して提出してください。 提出は、郵送でもできます。 注意しなければならないのは、相続放棄と違い、相続人全員で申し立てる必要があるということです。 申立書を提出後、相続財産管理人の選任、財産目録の作成、広告手続きなど、やっかいな手続きが待ち受けています。 これだけ大変なので、限定承認はあまり利用されていないのが現状です。 でも、使い方によってとても都合の良い方法なので、行政書士などの専門家に手伝ってもらいながら、やってみてください。 相続税の基礎知識 2006年7月18日 たいした遺産があるわけじゃないのに、相続税を支払わなきゃならないなんて嫌だなぁ・・・。そう思われている方も多いことでしょう。 「相続税のために自宅を売り払った」なんて話を耳にすることもあるので、心配になるのはもっともです。 でも、必ず相続税が課されるのかというと、そうではありません。 遺産額が一定の基準を超えた場合にだけ、納税の義務が生じるのです。 国税庁の発表によると、相続税が課税される割合は、全体の5%弱です。 つまり、100人の方が亡くなったとして、相続税が発生するのは、そのうちの5人程度ということですね。 少しホッとしたのではないでしょうか。 相続税は、遺産の総額をもとに算出されます。 時価ではなく、相続税評価額で計算しますので、遺産の総額は思ったより低い額なのが普通です。 この遺産の総額から、一定の額を控除できます。 控除できるのは、1,000万円に法定相続人の数をかけた額に、5,000万円を加えた額です。 たとえば、お父様が亡くなって、相続人がお母様とあなたの2人だった場合、2000万円プラス5,000万円で、7,000万円を遺産の総額から差し引くことができます。 お父様の遺産が7,000万円以下であれば、相続税はかかりませんね。 配偶者控除や税額控除など、さらに差し引くことができるものもあります。 ここまで読んでくださった方は、相続税に対する不安が少し軽くなったことでしょう。 でも、ここで安心しないでくださいね。 相続税はかかりそうになくても、お金が絡む話は争いごとが起こりやすいのです。 相続によって、仲良し家族が不仲になってしまう事態は、残念ながら珍しくありません。 トラブルを避けるためにも、相続に対する知識を身につけて、早めの対策を立てましょう。 遺言書の検認 2006年7月26日 <検認申立 7月13日> 家庭裁判所で、自筆証書遺言の検認申立をしてきました。 自筆証書遺言の検認とは、家裁が遺言書の存在を確認して保全する手続きです。 遺言書の状態や、何が書かれているかなどが調査され、記録に残されます。 今回の依頼内容を、簡単に説明しましょう。 依頼者は雅代さん、亡くなったのはご主人(康男さん)です。 ご夫婦にお子様はいないため、相続人は雅代さんと康男さんのお母さまの二人です。 雅代さんは、康男さんの生前に、「遺言書」と書かれた封筒を預かっていました。 葬儀が済んだ今月初め、雅代さんがこの封筒を持って、事務所に訪れたのです。 そこで、7月13日に家裁に行き、「検認申立」をしてきました。 この手続は、亡くなった方の最後の住所地にある家裁で行います。 康男さんは町田市在住だったので、東京家庭裁判所の八王子支部に出向きました。 康男さんの生前から死亡までの戸籍謄本、雅代さんとお母さまの戸籍謄本を持参しました。 家裁に置いてある申立書を記入して、戸籍謄本と一緒に提出するだけです。 費用は、収入印紙800円と、80円切手4枚。これは、家裁内の売店で買いました。 八王子支部の売店は、とても狭くて乱雑ですが、お店のオジチャンは気さくです。 この日は、私が一人で家裁に出向き、書類提出だけであっという間におしまい。 検認の手続きは、後日です。 この申立から1週間が過ぎ、雅代さんとお母さまの元に、検認の期日が封書で連絡されました。 <検認手続 7月25日> そしてついに、昨日が検認の日。 雅代さんと二人で、康男さんの遺言書を持って家裁に出向きました。 検認の日には、相続人全員が立ち会うのが原則です。 でも、岡山にお住まいのお母さまは、遠方のうえ高齢なので欠席しました。 このように、立ち会うことができない相続人がいても、検認の効力には関係ないそうです。 まずは、封印してあった遺言書の開封が行われました。 そこには、たった一行「全ての財産を、妻の雅代に相続する」と、ボールペンで書かれていました。 裁判官の立ち会いにより検認手続が行われ、書記官が検認調書を作りました。 そして、遺言書に検認済証明書が付けられて、雅代さんに返還されました。 立ち会いできなかったお母さまには、裁判所から検認したことを知らせる通知が送られるそうです。 検認手続は、これで全て終了しました。(本文は仮名を使いました) <まとめ> 検認は証拠保全の手続なので、有効かどうかを審査するわけではありません。 でも、この手続きを経ないと、適法に相続手続を進めることができないのです。 遺言書を預かっていた方、発見した方は、この検認手続をしましょう。 封印してある場合は、開封しないで家裁に持っていかなければなりません。 まずは、専門家に相談すると良いでしょう。 高橋実希行政書士事務所では、相続に関する一切の手続をお手伝いしています。 マスオさんの相続権 2006年8月14日 50歳の男性(照夫)からの相談です。 「私は婿養子です。妻の父が亡くなったら、私にも相続権はありますか」 照夫さんは、妻の広子さんと20年前に結婚して、広子さんのお父さんが経営する自動車修理工場の跡を継ぎました。 自宅も、広子さんのご両親と同居です。 ここで、事例から離れて「サザエさん」でおなじみの磯野家の場合に置き換えて、考えてみましょう。 マスオさんは、サザエさんと結婚して、磯野家に同居しています。 ところが、マスオ、サザエ、タラの一家は、「磯野」ではなく「フグタ」を名乗っていますね。 マスオさんは、妻のサザエさんの実家で同居しているだけなので、波平さんが死亡しても相続権はありません。 もし仮に、マスオさんが「磯野」を名乗っていたら相続権が発生するのでしょうか。 答えは、それだけでは相続権はありません。 なぜなら、夫婦は夫または妻のどちらの姓を名乗っても良いことになっていますので、「磯野」を名乗るだけでは、単に妻サザエさんの姓を名乗っただけにすぎないからです。 女性が結婚して男性の実家で生活していても、義理の親の相続権がないのと同じですよね。 では、マスオさんが波平さんの相続を受けるには、どうしたら良いのでしょうか。 答えは、「波平・フネとマスオの間で、養子縁組をする」という方法です。 マスオさんが磯野家の養子になれば、波平さんとマスオさんの間に親子関係ができますので、波平さんが死亡すると相続権が発生します。 さて、相談者の照夫さんの場合に戻り、磯野家の例を参考に考えてみましょう。 照夫さんは、広子さんの姓を名乗り家業を継ぎました。 でも、広子さんの両親と養子縁組はしていません。 したがって、残念ながら、照夫さんに相続権はありませんね。 姓や家業だけではなく、多額の財産も含めて「跡を継ぐ」のであれば、養子縁組することも検討してみましょう。 今後も、自動車修理工場で一生懸命に働いていくのであれば、養子縁組してお父さんの財産を堂々と相続するのも良いでしょう。 ただし、世の中の「婿養子」は、マスオさんと同じで相続権のない人がほとんどです。 奥さんの実家が負債を抱えていたり、奥さんと離婚する可能性が少しでもあるのなら、養子縁組はしない方が無難かもしれません。 「婿養子」のあなたが養子縁組を検討するときには、法律家などのアドバイスを受けながら、慎重に考えましょう。 保険金のゆくえ 2006年9月5日 夫(正男)を亡くした女性(敏江)からの質問です。 「夫の借金が多額なので、相続放棄をする予定です。夫は、私を受取人とする生命保険をかけていました。相続放棄をしたら、生命保険金は受け取れませんか」 ご安心ください。生命保険金を受け取ることができます。 敏江が受取人に指定されていれば、保険金は相続財産とはみなされないのです。 保険金受取は、正男によって指定された敏江の権利であり相続財産ではないため、相続放棄をしても関係ないのですね。 敏江は、相続放棄をして借金から免れ、そのうえ保険金を受け取ることができます。 残された家族にとっては、ありがたいことですね。 ただし、相続放棄をした場合でも、保険金に相続税がかかるので注意してください。 これには、非課税枠がありますので、それほど心配ありません。 法定相続人の数に500万円をかけた金額までは、税金がかからないのです。 今回の相談者の場合、法定相続人は敏江と2人の子どもの合計3人なので、3人×500万円までは非課税です。 つまり、1,500万円までの保険金には、相続税はかかりません。 死亡保険金は、死亡したときに相続人が受け取ることが多いので、相続と同じように考えられがちです。 そのため、生命保険金は相続財産の一つだと誤解されることがあるようですね。 遺言書発見! 2006年9月16日 47歳の男性から、慌てた声で電話がかかってきました。 「今月初めに亡くなった父の机を整理していたら、『遺言書』と書かれた封筒を見つけました。どうしたら良いですか?」 封筒の中身が気になりますね。 でも、封を破いてはいけません。 早く読みたい気持ちを抑えて、封筒のまま家庭裁判所に持って行き、「検認」の手続きをしてください。 検認とは、遺言の内容をそのままの状態で記録して保存する手続きのことです。 相続人全員に、遺言の存在とその内容を知らせるために行います。 また、遺言書の偽造を防いで保存を確実にするという目的もあるのです。 検認は、お父さんの住んでいた地域の家庭裁判所に申し立てます。 裁判所に置いてある申立書を記入し、必要書類と一緒に提出してください。 お父さんの出生から死亡までのすべての戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本が必要です。 検認にかかる費用は800円で、収入印紙で納めます。 この申立から1週間ほど過ぎると、裁判所から検認の期日が封書で通知されます。 検認の日には、相続人全員が立ち会うのが原則ですが、欠席者がいても検認の効力には関係ありません。 まずは、封筒に入った遺言書を、開封することから始まります。 さて、お父さんの遺言書には、いったい何が書かれているでしょう。 一番ドキドキする瞬間です。 開封された遺言書の検認手続が、裁判官の立会いにより行われ、書記官が検認調書を作成します。 そして、この検認調書を付けられた遺言書が返還されて、検認は無事に終了です。 検認を受けないと、不動産の相続登記の申請は却下されてしまいますし、お父さんの預貯金を解約することもできません。 それどころか、検認をしなかったり勝手に封筒を開けてしまうと、5万円以下の過料に処せられますので、ご注意ください。 遺言書を発見した方や預かっていた方は、この検認手続をしましょう。 なお、公正証書遺言は、検認の手続きは必要ありません。 遺言書の探し方 2006年9月20日 前回のブログで、お父さんの机の中から遺言書を見つけたという男性のお話を紹介しました。 遺言書は、すべての相続手続きが終わったあとで見つかると、面倒な事態になりかねません。 身内の方が亡くなって相続手続きをすることになったら、遺言書探しが一番はじめの作業です。 亡くなった本人が、遺言を作ったという事実や、その保管場所を伝えてくれてあれば、それほど苦労しないでしょう。 困ってしまうのは、何も知らされていないときです。 この場合、机の引き出し、銀行の貸金庫、知り合いの法律家など、遺言書がありそうな場所を探してまわることになります。 このとき、遺言が公正証書になっている可能性を考えて、お近くの公証役場に出向くことも忘れないでください。 もしも、公正証書によって遺言書が作られていたら、見つけるのは簡単です。 平成元年(東京都内は昭和56年)以降に作成された遺言であれば、公証役場で検索してもらうことができるのです。 この「遺言検索システム」は、日本公証人連合会が行っています。 公証役場で作成された遺言を、コンピュータに登録しているため、遺言の有無はもちろんのこと、遺言がある場合には、いつ、どこの役場で、どの公証人によって作成されたのかがわかります。 この検索は、全国どこの公証役場でもできます。 検索により判明した作成場所の公証役場に出向くと、遺言の閲覧をすることが可能です。 また、1枚250円で謄本を交付してくれます。 ぜひ利用したい、便利なシステムですね。 遺言があるかどうかの照会、閲覧、謄本の請求をするときに必要な書類は、亡くなった方の死亡事実が記載されていて、かつ、あなたと亡くなった方との相続関係を証明できる戸籍謄本と、あなたの身分を証明できるもの(運転免許証やパスポート等)です。 ただし、この照会、閲覧、謄本の請求は、誰でもできるわけではありません。 遺言者が生きているうちは、遺言者本人だけが請求可能なのです。 あなたが相続人になるであろう立場でも、遺言者の生存中は請求することができません。 また、遺言者の死亡後も、法定相続人、遺贈を受ける方、遺言執行者などの利害関係人に限られます。 相続手続きを始めたら、まずこの便利な「遺言検索システム」で遺言書を探してみてください。 平等な相続 2006年10月17日 先月お父さまを亡くした、治さん(仮名・43歳)からの相談です。 「私は20年間、父の石材店を切り盛りして店を大きくしました。弟は公務員のため、父の店は手伝っていません。また、妹も遠くに嫁ぎました。私が、弟や妹と同じ割合しか父の遺産をもらえないのは、不公平だと思うのですが」 お父さまの収入を増やすことに貢献した治さんと、何も手伝っていない弟妹が、同じ金額ずつ分けるのは不公平ですよね。 兄弟間の状況を考慮してあげないとかわいそうです。 民法904条の2により、特別の貢献があった人に「寄与分」が認められていますので、ご安心ください。 「寄与分」とは、故人の生前における財産の維持や増加、あるいは療養看護などに特別の働きをした人が、法定相続分より多くもらえる遺産のことです。 治さんのように、父の商売を手伝った結果として、父名義の財産を増加させた場合。 長年の間、入院している夫の付き添いをして、入院費も負担してきた妻。 寄与分を主張できるのは、このような人たちです。 ただし、寄与分は相続人だけしか認められないため、内縁の妻や事実上の養子などには、寄与分がありません。 また、ただ単に一生懸命な看護をしたというだけでは、寄与分は認められません。 夫婦間には協力義務がありますし、親子間には扶養義務があるからです。 多額の入院費を負担してきたなど、法律上の義務を超えるような、特別な貢献をしたことが必要なのです。 では、寄与分がある場合、どのように遺産分割すれば良いのでしょうか。 寄与分の額は、原則として、相続人が皆で話し合って決めます。 協議がまとまらなければ、家庭裁判所に調停や審判を申し立てて、その額を決めてもらうことになります。 そして、その寄与分を相続財産から除いた額を、法定相続分どおりに分けます。 寄与分のある人は、この法定相続分に寄与分を上乗せした額を受け取ります。 治さん兄弟は話し合いにより、治さんの寄与分を1500万円と決めました。 お父さんの遺産の総額は、7500万円です。 したがって、相続財産は7500万円から寄与分を引いた6000万円とみなします。 この6000万円を法定相続分で分けると、3分の1ずつですから、1人2000万円ですね。 つまり、弟と妹は2000万円ずつ相続します。 そして治さんは、寄与分の1500万円を加えた3500万円を相続します。 このように、亡くなった人に対して特別な貢献をした相続人には、財産を多く分けることで、相続人同士が平等になるのですね。 貸金庫を開けるには 2006年11月11日 今週は、町田市役所の市民相談会があり、相談員を務めさせていただきました。 訪れた8組のうち、ある1組の相談についてご紹介します。 「先月末に、私(吉行・以下仮名)の父(定吉・67歳)が他界しました。父は生前に、銀行の貸金庫を利用していたのです。その中に遺言書を保管しているようなのですが、貸金庫はどうやって開けたら良いですか」 貸金庫は銀行などの金庫室にあり、耐火・耐水・耐震などの安全性が確保された保管箱です。 契約者本人しか中身を知り得ないという秘匿性と、天災にも強いという安全性があるため、利用している方が多いのです。 開閉できるのは本人のみで、たとえ家族でも無断で開けることはできません。 ただし、今回の相談のケースでは、妻(妙子)でも開けられるように、代理人届を提出してありました。 契約者の定吉さんが死亡したので、妙子さんが貸金庫を開けるために銀行に行きました。 ところが、「定吉さんの死亡により、代理人の権限は消滅しました」と言われ、貸金庫を開けることができなかったのです。 さて、どうやったらこの貸金庫を開けることができるでしょうか。 相続の基本に戻って考えてみましょう。 民法によると、亡くなった人の権利義務は、相続人に承継されますよね。 定吉さんの貸金庫契約は、妙子さんと吉行さんの2人が継いだことになります。 ですから、妙子さんが1人で貸金庫を開けることはできず、共同相続人の吉行さんと共に、開扉の手続を行わなければなりません。 開扉のためには、銀行に対して定吉さんの死亡の事実と、自分たちが相続人であることを証明する必要があります。 そのためには、定吉さんの除籍謄本、妙子さんと吉行さんの印鑑証明書と戸籍謄本などを提出しなければなりません。 そして、定吉さんから預かっていた正鍵と、銀行が保管しているマスターキの両方を使い、銀行員の立会いの下で開扉されます。 ただし、銀行によって手続が異なる場合がありますので、事前の確認が必要です。 相続手続は、相続人全員が協力して行わなければならず、貸金庫の開扉も例外ではないのですね。 借金を相続しない(1) 2007年1月29日 年末から進めていた、相続の仕事が一段落しました。 今日から2回に分けて、受託から完了までをお話したいと思います。 <平成18年12月15日> 照夫(72歳・以下仮名)を亡くした、妻の道子と息子の照良が、事務所を訪れました。 「亡くなった夫は、たくさんの借金がありました。どうしたら良いですか?」 詳しいお話を聞いたところ、財産よりも借金の方が明らかに多いのです。 そこで、2人は「相続放棄」をすることにしました。 相続放棄とは、亡くなった人のプラスの財産もマイナスの財産も、一切を相続しないというものです。 相続開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てなければなりません。 申立先は、照夫の最後の住所地である町田市を管轄する、東京家庭裁判所八王子支部です。 そこで私は、手続きに必要な戸籍謄本などを集める作業を行いました。 <12月28日> 御用納めのこの日、2人は家庭裁判所で、相続放棄の申述をしてきました。 提出書類は、以下の4点です。 ・相続放棄申述書(家庭裁判所のホームページから印刷できます) ・道子と照良の戸籍謄本 ・照夫の戸籍謄本 ・照夫の住民票の除票 1人分の手数料は、収入印紙800円と、80円切手5枚でした。 全ての書類と手数料を窓口に提出して、待つこと5分ほど。 名前を呼ばれて、「家事審判事件受付カード」(写真)が交付されました。 今日の手続きは、これでおしまいです。 借金を相続しない(2) 2007年2月4日 借金を残して亡くなった照夫の、妻と息子のお話の続きです。 前回、2人の相続人は、相続放棄の申立てを行いましたね。 今日は、この手続きが完了するまでをお話します。 <1月6日> 家庭裁判所から、「照会」という質問用紙が送られてきました。 これは、相続を放棄する意思を再確認するものです。 質問の内容は、以下の5点です。 ・被相続人の死亡を、いつ知りましたか。 ・相続放棄の申立ては、自分でしましたか。誰かに依頼しましたか。 ・相続放棄の申述は、あなたの意思によるものですか。 ・相続放棄をする理由。 ・これまでに、遺産を処分、隠匿、消費していませんか。 裁判所からの質問というと、ちょっと身構えてしまいますよね。 でも、決して難しい内容ではありません。 道子と照良は、事実のままに回答し、家庭裁判所に返送しました。 <1月20日> 裁判所から、「相続放棄申述受理書」が届きました。 相続の放棄に関する審理が行われ、受理されたことを伝える書類です。 これで、相続放棄の手続きは、無事に完了。 ただし、もうひと手間。 家庭裁判所で「相続放棄申述受理証明書」(写真)をもらっておきましょう。 所定の用紙に記入して郵送すると、数日でこの証明書が送られてきます。 債権者から、「相続人として借金を返して」と言われたら、この証明書を提示すれば良いのです。 これがあれば、借金返済の請求を受けても、支払いを拒むことができるのですね。 プラスの財産はほとんどなく、たくさんの借金を残して亡くなった場合、相続人は以上のような手続きをすれば良いのです。 でも、相続放棄をすれば、もちろんプラスの財産を相続することもできません。 相続人が行方不明(1) 2007年9月20日 50代の男性(孝一・以下仮名)が、困った顔で事務所にいらっしゃいました。 「父の相続手続をしたいのですが、弟(健二)の行方がわからないのです」 行方不明の相続人がいるために、相続手続を進めることができないようですね。 お母さんは15年前に亡くなり、すでに相続手続は済んでいます。 このとき、独身の健二さんは親元で生活していました。 しかし、お母さんの死亡後に実家を離れ、それきり音信不通になってしまったのだそうです。 孝一さんは、健二さんの戸籍謄本や戸籍の附票などを集め、健二さんの所在を探しました。 しかし、いくら探しても見つからないので、困り果てて私の事務所に相談に来たのです。 お父さんの相続人は、孝一さんと健二さんの2人です。 遺産分割は、全員の相続人が協議して行わなければなりません。 ということは、相続人の中に行方不明者がいると、遺産分割はできないのですね。 さて、孝一さんは、どうしたら良いのでしょう。 このような場合、次の2つの方法が考えられます。 1.健二さんの失踪宣告を受ける 2.不在者財産管理人の選任をしてもらう 私はまず、「失踪宣告」について孝一さんに説明しました。 失踪宣告を受けると、その人は死亡したものとみなされて、相続人の資格を失います。 まずは、家庭裁判所に、失踪宣告の審判を申立てることから始まります。 この申立てをすると、家庭裁判所は行方不明者の最後の住所などを、2〜3ヶ月ほどかけて調査します。 調査が済むと、申立人が裁判所に呼び出され、詳しい事情について質問を受けます。 その後、行方不明者について、家庭裁判所の掲示板に掲示され、官報にも掲載されます。 これは公示催告といわれ、6ヶ月以上の期間を必要とします。 失踪宣告を受けるには、申立てから約1年かかってしまうのです。 ちょっと気が遠くなってしまいますね。 失踪宣告により、生死不明となったときから7年間たった時点で、健二さんは死亡したとみなされます。 すると、孝一さんはたった一人の相続人となり、お父さんの全財産を相続することができます。 失踪宣告には、収入印紙代、郵便切手代、官報広告料がかかります。 次回も引き続き、相続人が行方不明の場合の相続手続についてお話します。 相続人が行方不明(2) 2007年9月25日 前回は、相続人の弟(健二)が行方不明で困っている、孝一さんの相談を紹介しました。 相続人の中に行方不明者がいると、遺産分割ができないのでしたね。 前回のブログでは、失踪宣告を受ける方法について、ご説明しました。 今日は、2つ目の方法として、不在者財産管理人の選任についてお話します。 相続手続を進めるためには、原則として、相続人全員の合意が必要です。 しかし、健二さんが行方不明のため、遺産分割について協議することができません。 そこで、家庭裁判所に「不在者財産管理人の選任」を申し立てる方法があります。 申立ての日から1〜3ヶ月ほどで、不在者財産管理人が選任されます。 すると、この財産管理人が、健二さんに代わって遺産分割協議に参加し、相続分の管理をします。 失踪宣告を受ける場合に比べ、お父さんの相続手続が早く片付きますね。 しかし、財産管理人に報酬を支払わなければならない場合もあり、お金がかかります。 また、不在者財産管理人の選任を申し立てる際は、収入印紙代と郵便切手代が必要です。 さて、健二さんの所在が明らかになったら、どうなってしまうのでしょう。 失踪宣告を受けていた場合には、失踪宣告はなかったこととされます。 孝一さんは、お父さんの遺産のうち残っている範囲内で、健二さんが受け継ぐべき財産を返せば良いのです。 不在者財産管理人の選任がされていた場合、健二さんは、この管理人から財産を受け渡してもらいます。 この財産に不満があったとしても、健二さんは文句を言うことができません。 前回から2度にわたってお話してきた内容を、私は孝一さんに説明しました。 孝一さんは、しばらく考え込んでいましたが・・・ 健二さんが生きて戻ってくる見込みは薄いとの理由から、失踪宣告の申立てをすることにしました。 申立てには、孝一さんと健二さんの戸籍謄本、健二さんの戸籍附票、孝一さんの住民票などが必要です。 まずは、これらの必要書類を集める作業を受託しました。 遺言があってもあきらめない(1) 2007年10月13日 「母の相続のことで相談があるのです」 このような電話の後、40代の女性(理香・以下仮名)が事務所にいらっしゃいました。 理香さんのお母さんが亡くなったのは、先月のことです。 初七日の法要の日、理香さんは姉の麻衣さんから、お母さんの遺言を見せられました。 その遺言には、「私の全ての財産を、麻衣に相続させる」と書いてあったのです。 理香さんのお父さんはすでに亡くなっているため、理香さんは、母の遺産を姉と半分ずつ分けるつもりでいました。 しかし、お母さんが遺言を書いていたことがわかり、慌てて相談に来たというわけです。 理香さんは、お母さんの遺言内容に、ひどく傷ついた様子でした。 「確かに、姉は母と長く同居していたけれど、だからといって納得できない・・・」 理香さんは、諦めるしかないのでしょうか。 それとも、少しでも母の遺産をもらう方法があるのでしょうか。 民法に、「遺留分」という制度があります。 「遺留分」とは、一定の遺族のために、最低限相続できる財産を保証したものです。 私は、遺産の4分の1にあたる額が、麻衣さんの遺留分であることを説明しました。 理香さんは、麻衣さんに対して、遺留分を請求することにしました。 これを、「遺留分の減殺請求」といいます。 減殺は「げんさい」と読みます。 遺留分の減殺請求は、麻衣さんに口頭で意思表示すれば有効です。 しかし、口頭で請求するのではなく、証拠を残せるように、内容証明の利用を勧めました。 遺留分は、お母さんの死亡と遺言の内容を知ったときから1年で、権利が消えてしまいます。 理香さんは、「さっそく姉に内容証明を出してほしい」と言いました。 次回も引き続き、理香さんのお話です。 遺言があってもあきらめない(2) 2007年10月17日 前回は、遺言により、お母さんの遺産を姉だけが相続することになった、理香さんのお話をしました。 理香さんは姉の麻衣さんに対し、内容証明によって遺留分の減殺請求をすることにしたのでしたね。 内容証明郵便とは、「いつ、誰が誰あてに、どのような内容の手紙を出したのか」ということを、郵便局が証明してくれるものです。 口頭や普通の手紙で請求したのでは、あとになって麻衣さんが「請求されたことはない」「手紙は受け取っていない」などと言い出すかもしれません。 内容証明を利用すれば、請求した事実や年月日を証拠として残すことができます。 内容証明として出す文書には、いくつかルールがあります。 横書きで作成する場合、文字数は、1行26字以内、1枚20行以内です。 または、1行13字以内、1枚40行以内でもかまいません。 文字や記号などは、使用できるものが決まっています。 文中の「@」や「u」など、2文字分として扱われるものもあり、注意が必要です。 @は「○と1」で2文字、uは「mと小さい2」で2文字と数えられるというわけですね。 用紙は自由で、手書きでもワープロで作成してもかまいません。 文書が2枚以上になるときは、綴目に契印する必要があります。 これらのルールに従って作成した内容証明1通と、謄本2通を添えて、郵便窓口へ持って行きます。 封をしていない封筒も1つ必要です。 この封筒には、差出人と受取人の住所と氏名を書いておきましょう。 内容証明の文書に記載した住所氏名と、完全に同じ記載をしなければなりません。 また、訂正が必要になったときのために、印鑑も持っていくと安心です。 内容証明は、どこの郵便局でも出せるわけではありません。 大きな郵便局しか扱っていないため、事前に調べてから出掛ける必要があります。 ちなみに、私の事務所がある町田市内で内容証明を出せる郵便局は、3箇所だけです。 次回は、郵便窓口で内容証明を出すときの注意点をお話します。 遺言があってもあきらめない(3) 2007年10月21日 前回まで2回にわたり、姉の麻衣さんに対して、遺留分の減殺請求をする理香さんのお話をしてきました。 理香さんは、内容証明を利用して、遺留分の減殺請求をすることにしたのでしたね。 前回は、内容証明の文書が出来上がり、郵便窓口までやってきたところで終わりました。 いよいよ、内容証明を麻衣さんに送ります。 持参した内容証明1通と謄本2通に封筒を添えて窓口に出し、内容証明郵便を送りたい旨を伝えます。 このとき、「配達証明でお願いします」と付け加えると良いでしょう。 内容証明を配達証明付きにすると、麻衣さんが手紙を受け取った日付を、郵便局が証明してくれるのです。 まずは窓口において、内容証明郵便としての基準を満たしているかどうか、チェックがなされます。 問題がなければ、「この郵便物は平成19年10月△日第○○○○○号書留内容証明郵便物として差し出されたことを証明します。郵便事業株式会社」と書かれたスタンプが押されます。 また、受け付けた郵便事業所名と日付が記載されたスタンプも押されます。 ここまでの作業が窓口で行われると、ようやく手紙を封筒に入れる準備が完了です。 窓口での指示に従い、自分で封筒に入れて、のりで封をします。 これが、麻衣さんに送られることになるのです。 持参した謄本2通は、郵便局で保管される分と、差出人の保管分です。 最後に、料金を支払えば、内容証明の発送手続きは完了です。 料金は、通常郵便物の80円に加え、手紙1枚の場合は420円の内容証明料がかかります。 また、書留料の420円も支払わなければなりません。 さらに、配達証明で送る場合は、配達証明料として300円もかかります。 合計1,220円ですね。 手紙が複数枚の場合や、速達で送る場合には、さらに料金が必要です。 料金を支払うと、「書留郵便物受領証」が渡されますので、なくさないように保管してください。 これで、理香さんが遺留分の減殺請求をするための作業は終わりました。 内容証明は、誰でも書いて送ることができます。 しかし、効果的な内容証明を作成するためには、法律知識が必要なのです。 自分で内容証明を書く自信がなければ、行政書士などの専門家に依頼することをお勧めします。 ところで、郵政民営化により、郵便局が一新しましたね。 窓口や制服が、各事業会社のシンボルカラーで色分けされて、お堅いイメージが消えた感じです。 全体的に若返った雰囲気になりました。
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東京都行政書士会会員 高橋実希行政書士事務所 |