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動物法務 ペットとの共生 2006年6月19日
「ペット可」のマンションを買って、愛犬ラッキーと一緒に住んでいる女性からの相談です。 管理規約が変更されて、「ペット不可」になってしまったというのです。 さてこの女性、マンションを出ていかなければならないのでしょうか? 区分所有法という法律で、<住人および議決権の3/4以上の賛成で、規約の変更ができる>と定められています。 この規定によって、「ペット不可」に変更されてしまったのですね。 でもこの条文、まだ続きがあるのです。 <規約の変更が一部の住人の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならない> ペットの飼育は、「特別の影響」に当たるのでしょうか。 残念ながらこれまでの判例では、ペットの飼育は「特別の影響」を及ぼすとはされていません。 だから、規約の変更に飼い主の承諾は必要ないのですね。 この女性がラッキーとの生活を続けると、飼育禁止の差し止め請求を受ける可能性があります。 部屋の使用を禁じられる事態にもなりかねません。 酷な話ですが、ラッキーを手放すかペット可の物件に引っ越すか、どちらかしかありません。 (実際には、その犬に限って飼育して良いとする場合が多いので、管理組合に確認してみましょう) 現在の判例では、他の住人である人間とペットのどちらを優先するのかということが考慮されているようなのです。 でも今は昔の番犬と違い、動物は家族の一員として生活する時代になりました。 これからの判例は、ペットの飼育が「特別の影響」を及ぼすという考え方に変わっていくのではないでしょうか。 ・・・希望的観測 <参考条文> 建物の区分所有に関する法律 第31条 第57条 第58条 ペットの法的扱い 2006年6月20日
前回、今ではペットも家族の一員と書きました。 人間と同じように、犬のための美容室(トリマー)もあれば、ペットのお葬式をする葬儀屋さんや、ペットタクシーなんてものまであります。 人間向けのサービスは、犬にもある時代なのですね。 では、人間と同じように扱われているペットは、法律上でも同等なのでしょうか。 残念ながら、法的観点から見るとペットは「物」なのです。 例えば、あなたが愛犬コロと散歩中に交通事故に遭ったとします。 ケガをしたのがあなたなら「人身事故」ですが、コロがケガをした場合は「物損事故」です。 散歩中にケンカに巻き込まれ、あなたが殴られたのなら「傷害罪」ですが、殴られたのがコロなら「器物損壊罪」なのです。 確かにコロは人間とは違うにしても、命があるのに「物」だなんて、なんだかおかしな感じですよね。 ドイツの民法では「動物は物ではない」と規定されているそうです。 日本は遅れているのですね。 ・ ・・犬にも犬権(けんけん?)を。 メモリアルダイヤモンド 2007年1月25日
先日、中学時代の同級生マミにばったり会って、食事をしてきました。 マミの右手薬指で、素敵な指輪がキラキラしています。 「実はこの指輪ね、ミルクでできているの」 ミルクは、マミが大切にしていた愛犬です。 今日は、マミから聞いた、ペットの遺骨で作る宝石のお話をしましょう。 ミルクは、昨年の春に14歳の生涯を終えました。 幼いころから一緒に暮らしていたマミにとって、ミルクの死は耐え難いものでした。 喪失感で何も手に付かなかったとき、「メモリアルダイヤモンド」の広告を見つけました。 ペットの遺骨を使い、その中の炭素からダイヤモンドを作ってくれるというのです。 マミは、仏壇に祀ってあったミルクの遺骨を持って、広告の会社を訪れました。 カラーとカラットは、いくつかの種類から選びます。 価格は種類によって異なりますが、マミは0.3カラットで50万円ほどのものに決めました。 指輪に限らず、ダイヤモンドのまま保管することも、ペンダントに加工してもらうこともできるそうです。 首を長くして待つこと、約5ヶ月。 少し黄色味がかったダイヤモンドがキラキラ輝く、素敵な指輪ができあがりました。 この黄色は、ミルクの炭素に含まれる、ヒ素や窒素の色だそうです。 以上の内容を、マミは指輪を見つめながら、感慨深そうに話してくれました。 指輪を身につけることで、ペットロスから立ち直ることができたのですね。 みなさんは、「メモリアルダイヤモンド」の存在を知っていましたか? 私は今回、マミからの話で初めて知りました。 残された人の悲しみを癒すだけでなく、大切なペットの供養にもなるのではないでしょうか。 メモリアルダイヤモンドは、ペットだけではなく、人間の遺骨からも作ることができるそうです。 ウチの子の記録 2007年2月26日
本屋さんを歩いていたら、『猫の母子手帳』という書籍を見つけました。 ビニールカバーがついて、見た目も大きさも、本当に母子手帳のようです。 思わず手にとって、中をパラパラ見たところ、充実した内容に驚きました。 人間の赤ちゃんの母子手帳と同様、身長や体重を記録していきます。 そして、何をどのくらい食べたのか、排泄物の量や状態など、健康に関するデータも記録します。 写真を貼るスペースもあり、猫ちゃんの成長過程を楽しく残していくことができるのです。 データは1ヶ月ごとにまとめられ、1冊で半年分を記録できます。 成長の様子を残す楽しみもあるうえ、病気になったとき、健康データを獣医さんに見せることもできるので、便利ですね。 この母子手帳は、読み物としても楽しいのが特徴です。 猫に関する豆知識のような、役に立つ情報が充実しています。 行動から感情を読み取る方法や、病気の対処法など、さまざまです。 税込み630円なので、思わず買って帰ろうかと思いましたが・・・。 私のウチには、猫ちゃんはいないのです。ザンネン。 猫ちゃんと暮らしていらっしゃる方、本屋さんに行ったら、この母子手帳を探してみてくださいね。 ペットのための遺言 2007年5月14日
高齢化や少子化により、ペットと一緒に暮らす人たちが増えてきました。 生活を共にしている人にとって、ペットは家族同然ですね。 私の知人にも、夫に先立たれ、わんちゃんと“2人暮らし”のおばあちゃんがいます。 かわいがっていれば当然、ペットを残して自分が死んでしまうなんて、考えたくないでしょう。 自分やペットの行く末について、悩んでいるお年寄りも多いようです。 そこで今回は、ペットのための遺言について、お話したいと思います。 ペットのための遺言とはいっても、ペットに遺産をあげるという遺言は無効です。 なぜなら、ペットは法律上では「人」ではなく、「物」だからです。 直接ペットにあげられないのなら、どうしたら良いのでしょうか。 ペットの世話を、家族や知人などに、遺言で依頼する方法があります。 飼育には、えさ代や注射代など、何かとお金がかかりますよね。 その世話代に見合う金額を譲り、ペットの世話をお願いする遺言にすると良いでしょう。 ペットの世話を、遺言でいきなり頼まれたら、依頼された人が驚いてしまうかもしれません。 もしかしたら、拒否されてしまうことだって、あるかもしれませんね。 そこで、引き取ってくれそうな人に前もってお願いをして、承諾を得ておきましょう。 さらに、その人とペットが、日ごろからコミュニケーションが取れるようにしておくと良いですね。 依頼を受けた人が、遺産だけをもらって、ペットの世話をしないということがないとも限りません。 このような事態を避けるため、遺言執行者を指定しておきましょう。 遺言執行者は、世話をするという条件を守らせるための、監督者になってくれます。 愛犬とのおでかけルール 2007年8月10日
愛犬を連れて、おでかけする機会が多い季節になりました。 公園などで愛犬を遊ばせる際には、守らなければならないルールがあります。 今回は、公共スペースでの飼い主のマナーについて、考えてみたいと思います。 長いリードで愛犬を散歩させている飼い主の姿を、広い公園で見かけることがあります。 しかし、公園には、犬の苦手な人もいるかもしれません。 飼い主にとってはかわいい家族でも、世の中には犬を「凶器」と感じる人もいるのです。 このような人は、「かむ」「ほえる」「飛びつく」などを恐れます。 リードの長さに配慮するなど、愛犬の動きをコントロールできる状態で、お散歩させましょう。 このような配慮は、単なるマナーの問題ではなく、事故防止の観点からも重要です。 実際に、愛犬が他人に危害を加えてしまい、飼い主が損害賠償責任を負うという事件が相次いでいます。 損害賠償の具体例は、次のとおりです。 ・ケガの治療費 ・通院のための交通費 ・ケガによって仕事を休んだ場合の休業損害 ・慰謝料 飼い主が「相当の注意」を払って愛犬を管理していたのであれば、賠償の責任を免れます。 「相当の注意」とは、常識的に考えて飼い主が払うべき注意のことです。 しかし実際には、このような事例が裁判になった場合、飼い主が「相当の注意」を払っていたと認められるケースはまれです。 民事責任だけでなく、刑事責任を科された事件もありました。 放し飼いの土佐犬が子どもにかみつき、大ケガをさせたとして、この犬を世話していた女性が重過失傷害罪に問われていた裁判です。 この女性は、今年4月10日に、禁固2年、執行猶予4年の判決が言い渡されました。 愛犬は家族の一員であるだけでなく、公共スペースにおいては社会の一員です。 わんちゃんとのおでかけが増える行楽シーズン。 飼い主としてのマナーを守り、トラブルを未然に防ぐ気配りをしたいものですね。 競馬初体験 2007年8月22日
17日(金)に、友達3人で大井競馬場に行きました。 競馬場というところは、大勢の男性が叫んでいて近寄りがたい場所だと、勝手に思っていましたが・・・。 予想に反して、女性のグループや家族連れの姿も多く、私たちも場違いではないことにひと安心。 イルミネーションの中で馬たちが疾走するトゥインクルレースは、とても素敵でした。 私が競馬を楽しんだ翌日、大井競馬場はレースが中止になりました。 馬インフルエンザに感染したおそれのある馬がいたからです。 検査の結果、馬インフルエンザは陰性でしたが、18日の予想売上金額20億円はパーになってしまいました。 各地の競馬場で、馬インフルエンザの感染により、レースが中止されています。 馬インフルエンザは、発熱、激しい咳、多量の鼻水などの症状があり、馬から馬に感染します。 人は感染する心配は、ないようです。 馬インフルエンザは、鳥インフルエンザのように死に直結することはありません。 安静にしていれば、軽症なら1週間、重症でも3週間ほどで治ります。 体調が回復して、トレーニングを再開すれば、またレースに出られるのです。 日本では、36年前(1971年12月)に馬インフルエンザが初めて発生し、大流行しました。 わずか1ヶ月で、国内の馬6,782頭が感染し、甚大な影響を受けたのです。 この教訓から、現在では競走馬に対して、半年に1度の馬インフルエンザワクチンの接種が義務づけられています。 ワクチン接種の効果で、36年間インフルエンザの流行はありませんでした。 予防接種をしても、絶対に発症しないとは言えないのは、人間の場合と同じようです。 感染しにくくなったり、発症しても重症になったりするのを防ぐことはできます。 この夏の猛暑は馬にとっても苦しくて、抵抗力が落ちているのかもしれませんね。 日本中央競馬会(JRA)では、今のところレースを中止しています。 安全が確認されて、レースが再開するまで、しばらく時間がかかりそうですね。 ところで・・・ 私の競馬初体験の成績は、少ない金額ながら、まずまずでした。 投資金額500円で、380円が返ってきました。 3人の合計賭金は9,000円で、当たって戻ってきたのは3,380円でした。 ペットに遺産 2007年8月31日
今月20日に、アメリカの富豪レオナ・ヘルムズリーさんが、87歳で亡くなりました。 彼女の遺言が、28日にニューヨークの裁判所で読み上げられ、話題になっています。 「ホテル女王」として知られる彼女の遺産の総額は、日本円でおよそ5,700億円。 遺言には、そのうちの約14億円(1,200万ドル)を、愛犬のために使うようにという指示がありました。 この遺産を手にすることになった、マルチーズの名前は「トラブル」。 なにやら、波乱をまき起こしそうな名前ですね。 「トラブル」が、14億円という大金を使い果たすことができるのか、疑問ですが・・・。 かわいいペットに財産を残したいという気持ちは、理解できますよね。 でも、日本では、ペットに遺産をあげるという遺言は無効になってしまいます。 なぜなら、法律上、ペットは「物」なのです。 たとえば、私が愛犬ラッキーとお散歩中に、交通事故に遭ったとします。 ケガをしたのが私なら「人身事故」ですが、ラッキーがケガをした場合は「物損事故」です。 お散歩中にケンカに巻き込まれ、私が殴られたら「傷害罪」ですが、殴られたのがラッキーなら「器物損壊罪」なのです。 命あるペットを「物」とする考え方には、違和感がありますね。 でも、法的な扱いが「物」である以上、直接ペットに遺産をあげることはできません。 ペットに対して、直接的に遺産を残せないのであれば、どうしたら良いのでしょう。 家族や知人などに、遺言でペットの世話を依頼する方法があります。 飼育には、えさ代や注射代など、何かとお金がかかりますよね。 その世話代に見合う金額を譲り、ペットの世話をお願いする遺言を書くと良いでしょう。 ペットの世話をいきなり遺言で頼まれたら、依頼された人が驚いてしまうかもしれません。 もしかしたら、拒否されてしまうことだって、あるかもしれませんね。 引き取ってくれそうな人に前もってお願いをして、承諾を得ておきましょう。 さらに、その人とペットが、日ごろからコミュニケーションが取れるようにしておくと良いですね。 依頼を受けた人が、遺産だけをもらって、ペットの世話をしないということがないとも限りません。 このような事態を避けるため、遺言の中で遺言執行者を指定しておきましょう。 遺言執行者は、世話をするという条件を守らせるための、監督者になってくれます。 ペットとのマンション生活 2007年11月7日
不動産の情報誌や不動産会社の店頭で、「ペット可」という文字を、最近よく目にします。 ペットを飼うことができる集合住宅が、増えてきているのです。 不動産経済研究所が今年5月、ペット飼育可能な分譲マンション普及率調査の結果を発表しました。 2006年に首都圏で供給されたペット可マンションは、55,511戸だそうです。 この年に供給されたマンションの総数は74,463戸ですので、ペット可マンションの占める割合は、74.5%です。 この数字は、驚異的と言えるのではないでしょうか。 調査を開始した1998年の普及率は、わずか1.1%でした。 この8年間で、ペット可マンションのシェアが、急激に増大したことがわかります。 ペット用の足洗い場やドッグランなど、ペット専用の設備があるマンションも増えています。 前出の調査では、ペット可マンションの62.6%に専用設備が付いているという結果が出ています。 住宅情報誌を見ていたら、「ペット可」どころか、「犬を飼うこと」が入居条件になっている物件もありました。 最近では、管理規約の変更により、「ペット禁止」から「ペット可」になる物件も増えてきています。 「ペットがいるから引っ越しできない」というのは、もう昔の話になりつつあるようですね。 しかし、いくらペットの飼育が可能だとはいえ、守らなければならないルールがあります。 エントランスやエレベータなどの共有部分は特に、他の住民の迷惑にならないよう、気配りしなければなりません。 動物愛護管理法の第7条では、飼主の責任として、「動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように」と定められています。 飼主にとって、自分のペットは家族の一員ですから、責任を持って適切な飼い方をしなければいけませんね。 ペットと共に生活するスタイルが、当たり前になりつつある今日。 マナーやルールを守り、ペットとの生活を気持ち良く送りたいものです。
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東京都行政書士会会員 高橋実希行政書士事務所 |